週末はだいたい外で寝てます。

山登り、トレラン、ランニング、キャンプ+育児な活動の日々の記録

TJAR2020 DAY2 前半 昼までに槍、マメ、そして、、、

目が覚めたのは0時少し前。

目を閉じてから90分経過。セオリー的には3時間は寝ておきたいところ。まだ寝た方がいいだろうか?少し考える。マメができていて速度も上がらない。天候悪化のため昼前に槍に到着という状況も変わらない。目は冴えている。寝る理由なし。

出発の準備に入る。いつもの流れ作業。お湯を沸かしながら、着替える、片付ける、朝食をとる。昨晩あんぱんしか食べていなかったので、少し多めにアルファ米半分とラーメンを混ぜたものを食べる。あったかいラーメンのスープが体に染み入ってくるようで美味しい。

トイレに行って、足のマメをケアして、出発、と思い外へ出てみる。痛い。刺すような痛み。昨日より、圧倒的に。 

トイレから戻ってきてマメをじっくりと観察する時間をとった。これから長い道のり、ここで時間をかけて自分のマメを理解し、対策法を固めて出発しようという作戦。

どこが、どういう状態になったら、どのくらい痛いのか、じっくり観察。場所を把握し、いろいろな角度に曲げたり、刺激をあたえてみて痛みを理解しようと努める。そして処置方法を数パターン考える。昨日と同じバンドエイドでは結果は同じで、数時間に1度のマメ潰し作業が発生するだろう。1.ニューハレでテーピング処置、2.靴下交換(5本指からラウンドへ)、3.固定用テーピングでのぐるぐる巻き(最終手段)を用意。1に関しては効果が出た場合継続するため、複数回分のテープをカットして用意しておいた。これから大荒れの天気で都度準備は大変なので。

まずは1と2の組み合わせから。本来なら1つづつの検証が望ましが、今はとにかく効果を出すことが急務。少し歩いてみる、少し痛い。が、悪くはない。まずはこれで行こうと決める。

 

シェルターをたたみ、全てをパッキング。仕上げに靴紐を結びなおす。

今日がひょっとしたらTJARの最後の日になるとしたら。頭にふと浮かんだ。そんなことは絶対に嫌だけど、後悔がないよう今日は進もうと。

できることはなんだろうと考える。これまで以上にレースを楽しむ。そして周りの選手にマメはだめ!と伝える。

いよいよ歩き始める。長い長いマメの痛みとのお付き合いの始まり。右足小指なので踏ん張りが効かなくなる。登りは痛みも少なくなんとかなるが、下りと平地は痛い。あと25万回(1日片足5万歩x5日間)、耐えられるだろうか。なんか耐えられる気もする、いやでもこんなに痛いんじゃダメな気もする。人間の神経、25万回も痛みが来たら壊れて痛みを感じないようになったりしないのかな?ほんと壊れてくれると助かる。リタイアってどうやってやるんだっけ?実行委員会に電話?なんて言えばいいの?マメ痛いから?絶対怒られるよな。家族になんていう?マメ痛いから?絶対刺されるよな。NHKになんていう?マメ痛いから?絶対カットだな。じゃ、どうする?完走に目標変えて歩き続ける?現実味はありそう。でもそれじゃ2018年の自分を越えられない。自分になんていう?マメで目標未達?それでいいの?自問自答ワールドが広がる。

 

とにかく上高地まで行こう。上高地到着までは、長い下り、長い平坦な林道がまっている。そこを越えて上高地に到着した時の状態をみて考えよう。もし仮に痛かったとしても、そこで寝て翌日まで待とう。という方針を立てる。

 

途中スピードも落ちてCT65-75%程度で進む。途中たくさんの選手に追い抜かれ、話をする機会があって、それはそれでよかった。マメの話は必ずしてしまったけど。まだ2日ではあるけど、多くの選手は、眠さ、疲れ、空腹、痛み、不調、不安、いろいろな戦いながら進んでいるっていうのは話の中から感じられた。自分も頑張らねばと。

黒部五郎の肩に到着し、カールを下りはじめるあたりで雨が降り始めた。雨と風は次第に強くなり、小屋についたタイミングでは雨は弱いがかなりの強風。小屋前のベンチでお湯を沸かしてラーメンを作っていると、もろもろ飛ばされそうになるので気を使いながらのラーメンタイム。 

小屋を出発し三俣蓮華を登り、途中の分岐に着いたときにはさらに強い風と本格的な雨。双六の中道に入ると登山道の上を水が数センチ流れているような状態。顔にもばちばちと雨があたってくる。久しぶりの感じ。多少の余裕はあるけど、吹きざらしではない中道でこの状態。西鎌でさらに悪化した天候で進むとなるとそれなりに大変そう(ちょっと楽しみ。)。

一方マメの方は痛みがだいぶ引いていることに気づく。シューズがずぶ濡れになり始めてから痛みが取れ始めた。ひょっとしたら足が水に濡れたことがなにか関係していたのかもしれないし、強まる風雨でちょっとアドレナリンが出始めていたのかもしれない。

 

双六中道を半分くらいいったところだろうか、なにかの拍子にiphoneを見たとき「直近は新穂高だよね?」という謎のメールの通知がJさんより届いてた。ん?なんだろって思っていると別のメールが「中止残念だったね、・・・・」ん?ん?ん?どういうこと?中止?ほんと?ほんとにそう?そんなことあるの?いやでもヤマテンの予報は確かに中止基準を越えていた。大人になったTJARならありうる。が、でもあのTJARが大人になるって?なんだか信じられない。

公式発表か選手連絡用の情報を確認したいが、電波がない。前を歩いていた青谷さんに追いついて声をかけてみる。え、なんの話的な反応。現在の状況を説明し、とりあえず双六小屋まで二人で進みスタッフさんに確認してみようということになった。

移動しながら、同じタイミングで友達2名からメール来てるってことは、まあそういうことなんだろうなと。覚悟はできていた。

でもなんだか現実味がなさすぎて、どんな気持ちだったかいまいち思い出せない。気持ちなんてなかったのかもしれない。どんな気持ちでもなかった気がする。中止になるってことの意味がまだよく分かってなかったから。ただまあ双六で確認をちゃんとしなきゃ、進まなきゃ、と思って進んでいた。

 

双六小屋に到着。ちょうど出発しようとするダスティンと高岸さんに出会う。大会は中止になったんでしょ?って聞くと、え、なにふざけたこといってんの的な反応。

え、なんかふざけてそういってるのかなーと思って、いやいやいや中止でしょと事情を説明する。いやなにいってんの、これからが本番で、むしろ楽しみすぎてという反応。え、その気持ちもわからなくもないけど。中止じゃないの?え、どういうこと?少し混乱する。

スタッフの方に聞いてみると、電波がないのでまだ情報が入っていない。電波の届くとこまでいって情報確認してきますとのこと。ダスティン、高岸さん、スタッフの方3人で樅沢岳方面へ。双六小屋で青谷さんと待つことに。

 

万が一にも中止じゃない場合、小屋に入ってしまうと失格なので、双六小屋の外で待っていた。小屋前でも結構な風と雨。体がすぐ冷え始め、これはまずいと着替え着込んで待つがとにかく寒かった。3-40分くらい待っただろうか。正式に中止ですとスタッフから告げられ、ここから下山してくださいという指示を受ける。 

f:id:ippei66:20210820103615j:plain(新穂高方面に下山中に見えた槍。晴れているように見えるが雲の動きは相当な速さ。)